テーマ研究U・常時微動の観測と解析

パワースペクトル
波形C
1階2階共に道路と平行な方向に奇数chを置き、それに直交する方向に偶数chを置いた。
家を右図のようにモデル化し考える。
2階以上の重さを1階の柱が支えてると考える。
構造計算書の層間変形角と剛性率の関係に
基づいて固有振動数を算定する。
重量 m=90(t)=90×10(kg) より、
水平力Qは、
90× 10 × 0.2×9.81=1.77×10N)
また、δ=1.0×10−2(m)から、
柱の剛性kは、1.77×10N/m)となる。
これより、ω=14.02(rad/s) となる。
これより、振動数 を求めると、
f = 2.2(Hz)となる。
波形@と波形Aより、各chは、ほぼ同じような揺れ方をしていた。地面の揺れに対して、2階部分はより 大きく揺れることがわかる。
波形@と波形Aの振幅を比較すると、大きい所では2倍程度、波形@の方が大きく揺れていた。これは、 1階が店舗であるために道路と平行方向の壁が少ないために減衰が小さいため、より揺れやすいものと考えられる。 
パワースペクトルより、1階の柱の剛性と2階以上の質量からなる振動系の固有振動数は約5Hzであった。
2階部分

04TC022  小代 雄大
04TC067  宮崎 正典

「常時微動」とは?
観測地 @ 「川口市M宅」
(ただし、強震動に対する構造物の応答を検討する場合には、構造物の塑性変形を考慮する必要がある。)
1階に置いたセンサーの詳細の設置箇所は上図の通り。
2階に置いたセンサーの詳細の設置箇所は上図の通り。
2階部分に高感度センサーを2つ、1階部分に1つ設置。
設置の方向は右図に示す。
スペクトル解析により求まった振動数:5Hz
計算から求まった振動数:2.2Hz
上の結果と、簡略化した家のモデルから得られる振動数との値を比べ、検証を行う。
今回は、その常時微動を実際の建物で観測・解析した。

・RC基準による鉄筋コンクリートの構造設計  鹿島出版  佐藤立美 他
・耐震改修促進法のための既存鉄骨造建築物の耐震診断および耐震改修指針・同解説(1996)  財団法人日本建築防災協会

参考文献

測定値と計算値による考察
波形@
1階部分
センサーの配置場所
波形Bをスペクトル解析すると左のグラフが得られる。
グラフ中の赤い丸の部分が卓越している。
1階部分
2階部分
建物や地盤は、地震時でなくとも常に小さく揺れている。
その原因は、交通であったり、海の波浪や風に揺れる木々で
あったり、様々な形で存在している。それらは、高感度の地震
計で捉えることができ、その振動を「常時微動」と言う。
まとめ
・偶数ch、奇数chのそれぞれがほぼ同じような振幅を示し、その大きさもほぼ等しい為、剛性が2方向でほぼ等しく、かつ偏心していないものと考えられる。
・スペクトル解析から、1階部分の振動系はおよそ7.5Hzの固有振動数を持っており、木造住宅としてはかなり高い剛性があるものだと考えられる。
グラフからの考察
横軸:振動数(Hz)、縦軸:パワースペクトル(×10−2・mm・s)
波形B
横軸:時間(s)、縦軸:変位(×10−1mm)
センサーの配置場所
この差の原因は・・・
・家の荷重を実際よりも多く見積もっている。
・2,3階を一体と見なしたが、実際には一体では
  いので、それによる差。
・計算に含まれない壁の剛性の影響。
                    などが考えられる。
横軸:時間(s)、縦軸:変位(×10−1mm)
グラフからの考察
横軸:振動数(Hz)、縦軸:パワースペクトル(×10−2・mm・s)
波形@をスペクトル解析すると左のグラフが得られる。
グラフ中の赤い丸の部分が卓越している。
横軸:時間(s)、縦軸:変位(×10−1mm)
波形A
右図のように、3階建てで、1階は鉄骨造、2,3階は木造の混構造。1,2階に比べ、3階は小さくなっている。また、道路に面している。
1階2階共に道路と平行な方向に奇数chを置き、それに直行する方向に偶数chを置いた。
既往の研究例
観測地 A 「蓮田市O宅・枠組壁工法」
2階に置いたセンサーの詳細の場所は上図の通り。
・伝統茶室の振動特性(宮高他、2004)
・2001年芸予地震における木造家屋被害の分析(林他、2002)
図中の赤い丸が常時微動を測定するセンサーを示し、2階に2つ、1階に1つ設置。
今回は、常時微動を実際の建物において観測し、その結果から、常に建物は微小に揺れていて、その揺れ方には建物の特徴が現れる。さらに、得られたデータから建物の固有振動数も見積もることができた。
横軸:時間(s)、縦軸:変位(×10−1mm)
横軸:時間(s)、縦軸:変位(×10−1mm)
パワースペクトル
1階に置いたセンサーの詳細の場所は上図の通り。